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短波(SW)放送とアマチュア無線の周波数帯の違い

 

短波(SW)放送とアマチュア無線の周波数帯の違い

短波(SW)放送とアマチュア無線(ハム無線)はどちらも短波(SW)周波数帯(3~30MHz)で運用されていますが、その目的や割り当てられている周波数帯が異なります。

1. 短波(SW)放送帯

SW放送(国際短波放送)は、**国際電気通信連合(ITU)**が定めた放送専用の周波数帯で行われます。これは世界各国の放送局が長距離のリスナーに向けて発信する国際放送で、一般的な商業放送や公共放送(BBC、VOA、NHKなど)が含まれます。

バンド名 周波数(MHz) 説明
120mバンド 2.3~2.495 MHz 熱帯地域向け夜間放送
90mバンド 3.2~3.4 MHz 主にアフリカ、南米向け放送
75mバンド 3.9~4.0 MHz 限定的な放送帯
60mバンド 4.75~5.06 MHz 低周波長距離伝播特性
49mバンド 5.9~6.2 MHz 世界中での夜間放送
41mバンド 7.2~7.45 MHz 昼夜問わず使用可能
31mバンド 9.4~9.9 MHz 昼夜問わず使用可能
25mバンド 11.6~12.1 MHz 昼夜問わず使用可能
22mバンド 13.57~13.87 MHz 昼間放送
19mバンド 15.1~15.8 MHz 昼間放送
16mバンド 17.48~17.9 MHz 昼間放送
13mバンド 21.45~21.85 MHz 昼間放送
11mバンド 25.6~26.1 MHz 昼間放送、使用頻度少

📌 特徴:

  • 放送周波数は国や地域、季節によって異なります(例:冬は低周波、夏は高周波が有利)
  • 電離層反射(スカイウェーブ、Skywave)を利用し、地球の反対側まで送信可能
  • 主にAM(振幅変調)方式を使用
  • 送信出力が非常に高い(最大500kW以上可能)

2. アマチュア無線(ハムラジオ)周波数帯

アマチュア無線(Amateur Radio)は、無線通信実験や交信、研究、緊急通信などの目的で使用される帯域で、ITUと各国政府が定めた特定の帯域を使用します。短波(SW)アマチュアバンドは以下の通りです。

バンド名 周波数(MHz) 説明
160mバンド 1.8~2.0 MHz 夜間長距離通信
80mバンド 3.5~4.0 MHz 夜間通信、中距離
60mバンド 5.3515~5.3665 MHz 限定的使用
40mバンド 7.0~7.3 MHz 国際通信、夜間主力バンド
30mバンド 10.1~10.15 MHz CW、デジタルモード専用
20mバンド 14.0~14.35 MHz 昼夜を問わず世界的な交信
17mバンド 18.068~18.168 MHz 昼間通信、中距離
15mバンド 21.0~21.45 MHz 昼間通信、長距離交信
12mバンド 24.89~24.99 MHz 昼間通信、中距離
10mバンド 28.0~29.7 MHz 昼間、短距離および長距離交信

📌 特徴:

  • 送信目的は放送ではなく、個人間の交信、実験、緊急通信など
  • 電波法に基づき、免許を取得した人のみが送信可能
  • 出力は通常数十~数百W(一般的には100W以下、特別な許可で1kWまで可能)
  • モードは多様(AM、SSB、CW、デジタルモードなど使用)
  • 10mバンド(28~29.7MHz)は太陽活動が活発な時期に電離層反射を利用して長距離通信が可能

3. SW放送とアマチュア無線帯の比較

分類 SW放送 アマチュア無線
目的 国際放送、ニュース、情報提供 個人間交信、緊急通信、実験
周波数帯 2.3~26.1MHz(ITU指定放送帯) 1.8~29.7MHz(ITU指定アマチュア帯)
波の方式 AM(振幅変調) AM、SSB、CW、デジタルモード
出力 数十~数百kW(最大500kW以上) 通常100W、最大1kW(特別許可)
伝播特性 電離層反射を利用、地球反対側まで送信可能 電離層反射を利用、長距離交信可能
免許の有無 一般の受信可能 送信にはアマチュア無線免許が必要

4. 結論: SW放送とアマチュア無線は異なる!

✅ SW放送とアマチュア無線は同じ短波(SW)周波数帯を使用しますが、割り当てられた周波数帯が異なります。
✅ SW放送は放送専用の帯域で、政府や企業が運営する放送局が送信します。
✅ アマチュア無線は個人が特定の許可を得た帯域で交信を行うためのものです。
✅ 出力に大きな差があり、SW放送は最大500kW以上可能ですが、アマチュア無線は通常1kW程度が一般的です。
✅ 両者は互いに影響を与える可能性があり(干渉が起こる可能性あり)、そのため明確に分けられています。

つまり、アマチュア無線帯とSW放送帯ははっきりと区別されており、「短波」という理由だけで同じ帯域で運用されているわけではありません。

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