AMラジオが長いアンテナなしでフェライトバーアンテナで受信できる理由
AM放送は中波(MW)なのか?
AM(振幅変調)放送は中波(Medium Wave、MW)帯域で送信されます。
周波数範囲:
- 韓国: AM放送 531kHz ~ 1602kHz
- 国際的には 530kHz ~ 1710kHz
- 中波(MW)は300kHz ~ 3MHzの範囲に含まれており、AMラジオ放送はこの周波数帯で送信されています。
なぜAMラジオは長いアンテナなしでフェライトバーアンテナで受信できるのか?
一般的にラジオ受信には**長いアンテナ(ロングワイヤー、ロードアンテナなど)が必要ですが、AMラジオは内部に短いフェライトバーアンテナ(Ferrite Rod Antenna)**だけで十分に受信可能です。
その理由は次の通りです:
-
AM放送の低い周波数特性(長い波長) AM放送は**中波帯域(約500kHz ~ 1.6MHz)**で送信されます。この周波数の電波は波長が非常に長い(約188~566m)です。
波長が長いほど、**磁場成分が強くなり、地面を沿って伝播する特性(地表波)**が強くなるため、内部アンテナでも十分に受信できます。 -
AM放送が磁場成分が強い電波であるため 電波は電場(E-field)と磁場(H-field)の成分から構成されています。
AM中波放送は磁場(H-field)成分が強いため、フェライトバーアンテナは磁場を感知するタイプであるため、AM電波を効率的に受信できます。 -
AM変調方式の影響か? 変調方式(AM変調)そのものの影響ではなく、電波の特性(長い波長+磁場成分の強さ)とアンテナ構造の違いが主な原因です。
FM(周波数変調、88~108MHz)は高い周波数(短い波長)を使用しており、電場成分が強いため、一般的な金属製のアンテナ(ロードアンテナ)が必要です。
フェライトバーアンテナとは?従来のアンテナとの違い
1. フェライトバーアンテナの構造
長いアンテナの代わりに、フェライトコア(棒)と巻かれたコイルを使って信号を受信します。
電波の磁場(H-field)成分を感知して信号を受け取ります。
構成要素:
- フェライトコア:磁場を集める役割
- コイル(巻線):磁場を電圧信号に変換する
2. 従来のアンテナ(ロードアンテナ、ダイポールアンテナ)との違い
区分 | フェライトバーアンテナ | 従来のアンテナ(ロードアンテナ、ダイポール) |
---|---|---|
受信方式 | 磁場(H-field)の感知 | 電場(E-field)の感知 |
形状 | 短く、内部に内蔵可能 | 長く、外部に配置 |
使用周波数 | 低い周波数(MW/LW) | 高い周波数(FM/VHF/UHF) |
受信特性 | 方向性あり(アンテナの向きによって感度が変化) | 比較的方向性が少ない |
設置場所 | 内部に組み込むことが可能(コンパクト) | 外部に突出する |
結論:なぜAMラジオは短いアンテナで受信できるのか?
AM放送(中波、MW)の波長が長く、磁場成分が強いため、フェライトコアで磁場を受信することができます。
フェライトバーアンテナは磁場(H-field)を感知するアンテナであり、AM信号を効率的に受け取ることができます。
FMのように高い周波数(短い波長)では電場(E-field)成分が強くなるため、金属製のアンテナが必要です。
AM受信時にラジオを回転させると感度が変化するのも、方向性のある磁場受信方式によるものです。
✅ つまり、AMラジオは電場ではなく磁場を感知する方式であるため、長い金属アンテナなしでも内部の短いアンテナ(フェライトバーアンテナ)で受信可能です!
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