WD(ウェスタンデジタル)のHDDラインナップで見かけるTCG、SE、PWDIS、No PWDISは、ハードディスクのセキュリティおよび電源管理機能を示しています。それぞれの意味を解説します。
1. セキュリティ関連の用語
1) TCG (Trusted Computing Group)
- TCGは、セキュリティ標準を策定するTrusted Computing Groupによるセキュリティプロトコルです。
- TCG Opal:ストレージデバイスの**自己暗号化(Self-Encrypting Drive, SED)**を管理する規格です。
- 「Opal 2.0」などと表記され、データがディスクに書き込まれる際、自動的に暗号化されます。
- データ削除は暗号鍵を廃棄する方法で行われ、迅速にデータを消去できます。
- ビジネスやセキュリティが重要な環境で使用されます。
- TCG Enterprise (SE - Secure Erase):主にデータセンターやエンタープライズ環境で使用されるセキュリティ機能で、データの消去および初期化を強化する技術です。
2) SE (Secure Erase)
- Secure Eraseは、ハードディスクのデータを完全に削除する機能です。
- 一般的なフォーマットとは異なり、物理的なセクターレベルでデータを完全に消去し、データが復元されないようにします。
- ディスクの廃棄や再利用時に使用されます。
2. 電源管理関連の用語
1) PWDIS (Power Disable Pin)
- PWDISは、電源遮断機能で、ハードディスクへの電力供給を直接遮断する機能です。
- SATA電源コネクターの3.3Vピンを利用して、ハードディスクの電源をオン・オフします。
メリット:
- システムから特定のドライブを物理的に取り外すことなく、電源を遮断できるため、エネルギー節約や管理が容易になります。
- データセンターではドライブ障害時に簡単に管理できます。
デメリット:
- 一部の古い電源ユニット(PSU)では、3.3Vピンを使用しないため、互換性が制限される可能性があります。
2) No PWDIS (Power Disable未対応)
- No PWDISは、電源遮断機能を持たない標準的なSATAドライブです。
- 古いシステムや一般的なデスクトップPCではこの機能は不要なため、No PWDISドライブが使用されます。
まとめ
- TCG (Opal):データの自己暗号化およびセキュリティ機能。
- SE (Secure Erase):データ完全削除機能。
- PWDIS:電源ピンによるハードディスクの電源遮断機能。
- No PWDIS:電源遮断機能がないドライブ。
Tips:
- データセキュリティが重要な環境では、TCG Opalが適用されたハードディスクが適しています。
- サーバー環境ではPWDIS機能が便利ですが、デスクトップ環境では互換性のためにNo PWDISを選ぶのが一般的です。
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